世界三大複雑機構 トゥールビヨン、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー

奥深さ、精密・精緻な仕組み。
それらに魅了されて高級腕時計の世界に誘われた方も多いのではないでしょうか。
今回は世界三大複雑機構 (パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーター、トゥールビヨン)を解説いたします。高い技術を要するこの機構は、ブランドにとっても持ち主にとっても大きなステータスとロマン。
それゆえ数百万~数千万円と大変な高価格帯で展開されていますが、一生に一本は欲しい永遠の憧れと言えます。手のひらにおさまるくらいの小さなケース内で繰り広げられている超複雑機構。その世界最高峰の世界とは? 
出典:https://www.breguet.com ■パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)とは?
パーペチュアルカレンダーとは、半永久的に手動での操作不要で暦に則った日付を表示してくれる機能のことです。
31日を1周期として設計された一般的な日付表示の場合、31日に満たない月の月末もしくは翌月の1日に、実際のカレンダーに合わせて手動で修正しなくてはいけません。しかしパーペチュアルカレンダーは、月による日数の違いや、4年に1度のうるう年を自動調整してくれます。これは、4年分それぞれの月のメモリーが機械に内蔵されているため。
カレンダー表示機能の金字塔とも言うべき機構です。 
出典:https://www.patek.com/en/mens-watches/grand-complications/5208P-001 パーペチュアルカレンダーは1700年末期に、時計の歴史を200年早めた天才時計師・ブレゲスーパーコピーによって開発されました。
当時は懐中時計に組み込まれたこの機構を腕時計に初めて搭載させたのが1925年、パテックフィリップです。 年に5回の手動修正を必要としないこの機構は、大変実用性に富んだものです。
電子回路が組み込まれたクォーツやデジタルウォッチではこの機能は主流となっています。しかし、機械式時計は歯車のみでこの4年間、1461日分ものメモリーを
保つ機構を構築しなくてはならないため、その複雑性は計り知れません。
メーカーによって技術開発や改良が加えられてきていますが、成功しているブランドはごくわずか。
その実用性とはうらはらに、大変な高価格帯であることが頷けます。 出典:https://www.patek.com/en/29-535/CH-29-535-PS-Q パーペチュアルカレンダーと似た機構で、アニュアル(年次)カレンダーというものがあります。
やはりパテックフィリップが1996年に特許を取得した機構で、年に一度2月以外は自動調整して日付を表示します。パーペチュアルカレンダーは止まってしまうとその年が閏年か調べた上で日付調整が必要なことや非常に高額のため、
システムを簡素化したアニュアルカレンダーはポピュラーな機構です。   ■パーペチュアルカレンダーを搭載した代表的なモデル
出典:https://www.patek.com/en/mens-watches/grand-complications/5327J-001パーペチュアルカレンダー付腕時計に先鞭をつけたパテックフィリップのムーンフェイズを共に搭載したモデル。
イエローゴールドのケースに上品なアイボリーダイアル。
高度で洗練された機能に美しさを添える、パテックフィリップらしい一本です。  
出典:https://www.audemarspiguet.com/jp/watch-collection/royal-oak/26574ST.OO.1220ST.02/パーペチュアルカレンダーとムーンフェイズが搭載したモデル。
オーデマピゲ特有のグランド・タペストリー加工が施されたダイアル上に、4つのサブダイアルが並んでいます。
モダンなスポーツウォッチでありながら、長い伝統に裏打ちされた超複雑機構を搭載する、
高級時計メーカー御三家のオーデマピゲならではの逸品。  
出典:https://www.iwc.com/ja/collection/davinci/IW3921/ 熟練した手作業によって生み出されるゆえ高価格帯のパーペチュアルカレンダー。
その仕組みの簡素化に成功し、この機構をより私たちの手に届きやすくしたのが、IWCのダヴィンチです。
パイロットウォッチを始めとした、他の追随を許さないハイスペックウォッチを展開するIWCならではの偉業。一般的にパーペチュアルカレンダーはケース側面についたボタンをピンで押すことによって日付を合わせますが、
リューズ操作のみにしたこともドラスティックな変革と言えます。  ■ミニッツリピーターとは?まだ暗闇での視認性が確保されていなかった時代、鐘を鳴らして時刻を告げる機構が開発されました。
それがミニッツリピーターです。17世紀末にイギリスで発明され、天才時計師・ブレゲスーパーコピーがその小型化に成功、ルイ・ブラン&フィルズ社(現在のオメガ)が1892年、腕時計に初めて搭載させました。通常、音を鳴らすための鐘とハンマーが大小1つずつ付いていて、大きいハンマーが鐘を鳴らす回数によって「何時」を、小さい方が回数によって「何分」かをあらわす音を出します。
大小両方のハンマーを同時に鳴らすと15分ごとの時間を知らせてくれます。
一連の操作は、プッシュボタンやスライドピースまたはレバーなどメーカー・モデルによって様々。 三大複雑機構の中でとりわけ高い技巧と長い作業時間が必要とされるシステム。
数千万円を超えるものも珍しくありません。その仕組みは異なる音の高さに調律された複数のリング状になった鐘をハンマーで打ち、反響させるというもの。
特異で繊細なパーツから構成されるため、熟練した職人技でなくては成しえないものです。また、ケースが共鳴体の役目を果たし、素材や大きさ・厚みなどによっても音量や音質に差が生じるため、ケースの仕様も大変重要。
考え抜かれて設計され、鍛え抜かれた職人たちの手によって組み立てられる、まるで工芸品のような機構です。 
出典:https://www.patek.com/en/mens-watches/grand-complications/5374P-001 現代において、ミニッツリピーター機能の実用性はあまりありません。しかし、時刻を告げる以外の機能を高い技術と美しいアレンジで付していく遊び心。
それが、高級時計の味わい深さではないでしょうか。 ■ミニッツリピーターを搭載した代表的なモデル
出典:https://www.patek.com/en/ladies-watches/grand-complications/7000R-001 様々な超複雑機構に果敢に挑戦するパテックフィリップは、ミニッツリピーター搭載ラインも豊富です。
デザイン、技術、ステータス性どれをとっても抜群で、まさに憧れの老舗高級ブランド。そんなパテックフィリップが2011年より展開している、初のミニッツリピーターのレディースモデル。
レディースらしいフェミニンなフォルムを持つローズゴールドケースからは、美しい音色が奏でられます。  
出典:https://www.franckmuller-japan.com/collection/watch/category/minuterepeaters/
美技ともに斬新で華やか、そして豊富なコレクションが魅力のフランクミュラーからの
超複雑機構が二つ搭載されたモデル。ケースサイドのスライドボタンを操作するとたちまち2本のハンマーが鐘を叩き、
時刻通りの正確なチャイムを鳴らします。同時に、誤操作を防ぐセーフティシステムをも搭載。ブレゲスーパーコピーの再来と称され名高い天才時計師・フランクミュラーならではの傑作です。  
出典:https://campanola.jp/collection/CTR57-1171.html“時を楽しむ”ことをコンセプトに展開されているカンパノラから、世界的に珍しい
クォーツ式のミニッツリピーター搭載モデル。これは、合成音によって高低2種の鐘の音を再現したものです。朝、昼、晩でアラームの音色を変える気遣いが日本企業ならでは。
ダイアル上は、水面にひろがる水の波紋をイメージし、和洋、さらには古今が入り混じったかのような一本です。通常ミニッツリピーターを搭載したモデルは数百万円の値が付くのが一般的ですが、こちらはミニッツリピーターとパーペチュアルカレンダーを搭載して定価が432,000円と大変お求めやすい価格になっています。 ■トゥールビヨンとは?機械式時計が常に挑み続けてきた命題、それは精度の向上です。日に数秒から数十秒ずれてしまうことが一般的な機械式時計。精度を落としてしまう要因の一つに「姿勢差」というものがあります。
姿勢差とは時計の向きやポジションの変化により、ムーブメントにかかる重力の方向が違ってくることで生じる、時計の誤差のことです。置き時計や掛け時計とは違い、常に装着者の腕の動きなどにより向きが変わってしまう腕時計は、この姿勢差により誤差が生じやすくなります。この姿勢差を解消するために開発された機構が、トゥールビヨン。地球上の重力の影響により生じる誤差を時計自身が自ら補正する特殊機構で、原理としては、通常の機械式時計では固定されているがんぎ車と振り子の役目を担う天符を、特殊なキャリッジ(籠)に収め、キャリッジそのものを回転させながら同時に固定された歯車をも駆動させ、重力を平均化し精度を高める装置です。 
出典:https://www.breguet.com/ 言うは易し、と言いますが、この機構を構築するためには、多数の細かなパーツを綿密に設計し、
熟達した手作業によって初めて完成される、まさに超複雑機構。
出典:https://www.breguet.com/この機構を開発したのも、やはり天才時計師・ブレゲスーパーコピーです。
当時主流だった懐中時計よりさらに姿勢差の矯正が必要とされる腕時計のトゥールビヨンは、
多数の複雑機構に先鞭をつけるパテックフィリップを始めとして、様々な時計メーカーが挑戦してきました。ちなみに現在の技術では、ムーブメントは姿勢差の影響をほとんど受けません。
しかし、トゥールビヨン自身の美しさとロマンゆえ、今なおトゥールビヨン搭載モデルが展開され、高い価値と需要を持ちます。 トゥールビヨンは、フランス語で“渦(うず)”という意味を持ちます。
ガンギ車やデンプを始め、細かで多数のパーツそれぞれが綿密に組み立てられ、独特の動きを繰り広げます。
それは細やかでありながら、自然界でダイナミックに飛沫をあげる渦のよう。製造できる時計師が世界的に少数であることも、たまらないロマンです。購入価格はマンション並なので、ステータスとしての意味合いが強いのですが、その魅力は複雑なメカニズムの動きと美しさにあります。2000年以降、生産技術の発展により大量生産に成功、タグ・ホイヤーなど従来と比べると
非常に安価なトゥールビヨンも誕生しました。しかし、高級モデルの中にはさらに複雑な機構を搭載させたりキャリッジの動きを立体的に
回転させるなど、多様化が進んでいます。  ■トゥールビヨンを搭載した代表的なモデル
出典:https://www.breguet.com/時計界きっての名門であり最高峰・最高級の時計を生み出し続けてきたブレゲスーパーコピー。
マリーアントワネット御用達であったことも有名です。この記事で紹介した三大機構の原点は、全てブレゲスーパーコピーに回帰していくのではないでしょうか。
それゆえ、トゥールビヨンのライン展開はブレゲスーパーコピーと肩を並べるメーカーはほとんどありません。そんなブレゲスーパーコピーから、トゥールビヨン上にスモールセコンドが配され、そこから逆向きにセットされたシリコン製ホーン付きアンクル脱進機が独創的な動きを見せる一本。ブレゲスーパーコピーらしい、美技ともに妥協をしないクラフトマンシップが伝わってくるモデルです。  
出典:https://www.watch-yoshida.co.jp/mens/products/detail.php?product_id=711スポーツ・エレガンスをコンセプトに、高級感溢れる数々の名スポーツウォッチを展開するオーデマピゲ。
こちらは、当ブランドのトゥールビヨンの中では比較的リーズナブルでありながら、定価1000万円を超える
驚愕の高級モデルです。オーデマピゲ特有のプチ・タペストリーが施されたダイアル上の6時位置からその精密・精緻な動きを垣間
見ることができます。  
出典:https://www.seiko-watch.co.jp/news/baselworld/posts/523/201603172016年バーゼルワールドで発表し、その美しさと精巧さから世界中を驚愕させた、セイコー初のトゥールビヨン搭載モデル。
希望小売価格は税抜き5000万、数量は限定8本という強気の誕生でした。トゥールビヨン機構もさることながら、富嶽三十六景から着想を得た、立体彫金と漆芸の融合が魅せる
ダイアルアートには息を呑みます。  
出典:https://www.patek.com/en/mens-watches/grand-complications/5207-700P-001/print傑作と名高い手巻きムーブメントCal.R TO 27 PS QIを採用した、複雑機構のプロフェッショナル・パテックフィリップ
だからこそ生み出したグランドコンプリケーション。三大複雑機構の全てを搭載しています。ダイアル上には丁寧にギョーシェ彫りが施され、「美しい機能には美しい外観を添える」
という当ブランドの理念が溢れ出る不朽の名作です。  
出典:https://www.alange-soehne.com/ja/news-and-more/tourbograph-perpetual-pour-le-merite/四代目当主アドルフ・ランゲの死を乗り越え、2017年SIHHで堂々発表された超絶技巧
トゥールボグラフ・パーペチュアル“プール・ル・メリット”。プール・ル・メリットとは、1740年にプロイセン王国で制定された最高の名誉勲章からちなまれています。シリーズ五作目となるこのモデルは、永久カレンダー、トゥールビヨンに留まらず、クロノグラフ、
ラトラパント機能、チェーンフュジー機構という五つの複雑機構を同時搭載するという、時計界の歴史に一石を投じた新作です。代々続いてきたランゲ家のスピリットが感じられる逸品としてSIHHから日が経ってなお話題にのぼっています。 技術発展により、必ずしも搭載する必要がなくなったこれら超複雑機構。しかし今なお高級時計にはこれらの機能を採用したものが展開され、その需要は決してなくなりません。
それは、「時刻を告げる」ための日常機能をはるかに凌駕する価値が腕時計にはあるからではないでしょうか。圧倒的なまでの世界観にとらわれて、究極を求める腕時計愛好家たちの旅は、まだまだこれからも続きそうです。 関連記事もはや美術工芸品。時計技術の最高峰トゥールビヨン